二、勝浦 〜船 から馬 を追 い落 とし〜

詳細二月十七日
、一同が止めるのも聞かず、義経さまは嵐の中へ船を出しました。二百
には、阿波勝浦
にたどり着きます。海になれない私にとっては、生きた心地のしない一夜でしたが、うっすらと明けはじめた渚には、さらに身の引き締まる光景がありました。
平家の赤旗が、夜明けの風にはためいていたのです。このまま船を海岸に横着けしたのでは、敵の格好の的になってしまいます。いかにして四国に上陸するのかと、思案をしておりますと、義経さまからのご命令で、渚に着かぬ前に馬を追い落とすことになりました。たづなを持って馬を泳がせながら渚に近づき、馬の足が立つようになるやいなや、次々とまたがって渚に駆け上がります。すると、浜にいた百
四国は平家の本拠地、わが軍の何十倍の軍勢がいようとも、このような弱腰の兵ばかりなら何のことはない。そのような思いがわれわれの胸にわき上がりました。道案内を買って出ました近藤


阿波勝浦:現在の徳島県小松島市
屋島合戦の謎 その2