六、古高松 〜平氏 はあわてふためいて〜

詳細われわれは、
から長尾
へと軍を進めたのでした。
後で聞いた話によると、その頃、屋島のふもとに陣取る平氏軍では、反旗をひるがえしたという河野四郎の一家郎党百五十六人の首実験を行っていました。その最中に、「高松のかたに火出てきたり」という知らせが入り、さぞや大軍で押し寄せたのだろうとあわてふためき、急いで船に乗り込んだのだそうです。
義経さまは、さらに軍を二手に分け、一つは平家の海の守り門である総門へ向かわせ、一つは屋島にある内裏へと馬を進めます。また、五、六騎、七、八騎、十騎とばらばらと海に駆け込ませ、その波しぶきでなおも大軍に見えるようにしたので、平氏はいよいよ沖へと逃げ出しました。
そこで、あっという間に総門
をわが軍の手中におさめたのでした。
石田:現在のさぬき市
長尾:現在のさぬき市長尾
総門:外構えの大門のことで、ここでは平氏軍の守りの最前線。